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ボーカルトラックセレクトの5つのポイント [DTM]

ボーカルトラックのセレクトという作業は何かといいますと、Aメロ、Bメロ、サビ等それぞれ何回か歌ったものを残しておき、それぞれのいいところを選ぶという作業です。

一文節や一行ごとに選んでつないだり、時には一文字単位でつなぎます。
その際つなぎ目が不自然にならないようにいろいろと工夫してあたかも一曲を通して歌ったように編集する作業です。

昨今の音源はこの作業無しでは完成しないのではないでしょうか?
いや、ともするとピッチ修正すら当たり前になっているこのご時世、まだ健全と言える作業かなと思います。
今のデジタルベースのDAWから入った人の感覚はどうだかわからないですが、筆者(今年36歳)より上のアナログを知っている世代にとってはピッチ修正には抵抗がある人が多いような気がします。要するにアナログテープやADATで録音していた時代に可能だった編集作業より進んだ事(非破壊編集)には抵抗があるという事ですね。


さて、ボーカルというのは生音楽器の最たるもので、歌うごとに毎回ニュアンスとか変わってくるので一度として同じテイクないものです。それ故に複数のテイクがつながりにくいと思われがちですが、いざやってみると意外とさっくりつながったりもします。


本記事では僕がボーカルトラックをセレクトするときに心がけている事を紹介していきます。

1、なるべく全体像をみる

数あるテイクをシビアに選びだすとその部分だけ気になり、音程やリズム等を小さい範囲で捉えてしまいがちです。
結果ひととおり選んだ後通して聞くと不自然な部分が多々あるなんて事があります。
ミクロだけを見ずにマクロも意識するという感覚は大事ですね。
大事なのはピンポイントの完成度よりも全体のストーリーという事です。

2、ブレスも表現の一部

これは自分がインディーズのバンドとしてレコーディングしてもらう立場だった時のエンジニアさんの言葉です。「ブレスも表現の一部」というのはどういう事かといいますと、当たり前ですが歌う前に息を吸うので、テイクをつなぐときは歌いだすブレスを先頭につなぐのを基本とする事。
実際ミックスを進めてしまえばブレスの音なんてマスキングされて聞こえない事が多いのですが、敢えてそこをしっかりやっておく心構えは大事かと思います。
編集したモノを他の方にミックスしてもらうのなら尚更です。

3、録り直すときは前後も歌ってもらう。

ボーカリストによってまちまちですが、通して歌ったものから選ぶという人と、時間軸に沿って録り直しながらテイクを完成させる人と2パターンいるように思います。
後者の方は気になるところだけ歌い直す事が多いので必然的にパンチインが多くなるのですが、その場合際該当部分だけでなく前後の歌詞も歌ってもらう事が大事です。
録り直す部分だけ歌うというやり方では、歌い手が無意識に歌いだしに長めにブレスをしたり、語尾が延びてしまったりして結果的に前後がつながりにくいという事になりやすいです。今のDTM環境ではタイムストレッチやクロスフェード等いくらでもいじれますが、本当は加工無しでつながるのが理想です。

4、プレイバックは簡単に音作りをした状態で聴く
テイクごとに生じる微妙な違いの要因として、マイクとの距離や声量によって違和感が生じることがあります。
そんなときはずるいようですがコンプやリバーブをかけると意外に気にならなくなる事が多々あります。
どうせミックスの段階では多少の(現代においては深めの)コンプ処理をする事が多いので、それを見越して選ぶというのも手ではないでしょうか。

5、音量の違いはファイルベースで修正する

「コンプをかけてもなお音量の違いが気になる!!」という事もあるでしょう。
「そこまで気になるなら録り直せよ!」という思いありますが、そのテイクのニュアンスがどうしても良かった場合があります。
そんな時はボーカルのトラックのオートメーションを書くという手がありますが、僕のオススメはリージョン(波形)そのもののゲインを突いて見るという事です。何故かというとトラックのオートメーションを書くという作業ではコンプを通った後の音をコントロールするのに対し、波形自体を上げるという事はコンプに通る事によるリダクション量も揃えられるという事です。
これにより質感(コンプ感)が一定になり結果自然に聴こえるという事につながります。


如何でしたでしょうか?より良いボーカルトラックを作り音源のクオリティを上げていきましょう!
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